【豊 島】「豊島の玉ねぎドレッシング」ができるまで-前編-

豊島の島キッチンで提供している料理に欠かせない特製玉ねぎドレッシング。
食事をされたお客さんから「どうやって作っているんですか?」と良く聞かれます。こうしたお客さんの声もあり、いつか商品にできないかという想いがだんだんと強くなっていきました。そして、今年、10年越しにようやく叶ったのです。
これは「豊島の玉ねぎドレッシング」が誕生するまでのストーリーです。
豊かな島「豊島」

四国の右上に位置する香川県は、日本で一番小さな県です。北側には美しい瀬戸内海が広がり大小 100 ほどの島が点在しています。そのうち有人島は 24。「豊島(てしま)」はその中の 1 つで、先史時代から人が暮らしてきた歴史のある場所です。

日照時間が長く、冬でも温暖な 気候が特徴で、さらには島嶼部には珍しく棚田を潤す湧水があり代々稲作を続けてきた島でもあります。近海には豊かな漁場があり、島内では柑橘類やオリーブの栽培も盛んな、文字通りの「豊かな島」。2010 年からは 3 年に 1 度のアートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の舞台となりました。
楽しい!美味しい!「島キッチン」


芸術祭では、訪れる人たちに豊かな島をよく知ってもらおうと、観るだけではなく、食べて楽しむアート空間が考案されました。「島キッチ ン」です。集落の中の築 100 年の古民家が、建築家の手でレストランに生まれ変わりました。


センターステージなる厨房に立つのは島に住む 60〜70 歳代のお母さんたち。さらに東京・丸ノ内ホテルのシェフがやってきて、島のお母さんたちから郷土料理を教わります。


お母さんたちの知恵と年季が入った家庭料理とプロの(お母さんたち曰くハイカラな)アイディアが混じり合い、地元の産品を使った新しいメニューが生まれていきました。地元でとれた鮮魚や野菜を使ったフリット、 お母さんたちのお漬物、郷土料理のかきまぜやお汁、シェフのレシピの前菜など、豊島の豊かさを食べて楽しむアート作品ができていったのです。
