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【豊 島】4/29(月) 5年ぶり!お大師さんのお手伝い

旧暦の3月21日は、弘法大師の御命日。
豊島では毎年この日に「お大師さん」があり、子どもたちを含めた7名のこえび隊も、3ヵ所に分かれてお手伝いをしました。
今回は、二人のこえびさんに、それぞれの活動場所での体験を報告していただきます!

清水観音堂

冨永 隼史さん

お大師さんとは、『四国霊場八十八ヶ所』や、近畿地方で行われる『西国三十三ヶ所巡り』をルーツとした風習で、白い法衣を着たお遍路さんが島の札所を巡ります。
小豆島や本島など、瀬戸内の島嶼部では古くから広く親しまれており、「島四国」や「ミニ霊場」とも呼ばれている伝統行事です。
かつては島外からも観光バスに乗り合わせた一団が大勢訪れていました。


私と小学2年生の娘は、湧き水が溢れる唐櫃岡地区の清水寺を担当。唐櫃岡地区はコロナが明けた5年ぶりの開催です。
瀬戸芸の作品「空の粒子」も設置されている場所で、お大師さんがある度に訪れているという、作家の青木野枝さんも一緒に、お遍路さんをお迎えしました。


札所を訪れるお遍路さんをお茶やお菓子でもてなすことを「お接待」と呼びますが、準備をする島の方も、どの程度の人数になるか、手探りの中での再開でした。
元々、お接待をするのは女性たちという島の慣例があったようですが、担い手が不足した今は男性も一緒になって行うようになったとのこと。


娘は小学1年生の地元の女の子ともすぐに仲良くなり、自分が持ってきた飴玉をお皿に乗せて「おひとつどうぞ」とお接待。

札所には、鐘つき堂が備わっているような立派な社殿もあれば、六畳一間ほどの仏間に、簡単な煮炊きができる炊事場が設けられた小さな集会所まで様々。
振る舞いも赤飯や甘酒、おはぎなど札所によって異なり、地区を取り仕切るお母さんたちの努力が、小さな名物を作ってきました。
こうした振る舞いを頂くのも楽しみの1つですが、規模を縮小し、簡単な駄菓子に変えたり、お接待自体を見送った札所もあります。

5年ぶりということもありお遍路さんの人数もまばらでしたが、地元のお年寄りやGWで帰省されたご親族、観光客が次々に訪れて、温かいをお茶を飲みながらひと時の交流を楽しみました。



100年という時代の中で、
お遍路さんに限らず、アートを目的とした外国からの観光客も訪れるようになり、
島のお母さんたちに限らず、こえびや作家さんや若い移住者も一緒になって、お接待をするようになりました。

少しずつ姿を変えながらも、人々の繋がりは新たに生まれ、続いて行きます。


私自身こえびを始めて10年程経ちますが、札所を巡っている中で懐かしい仲間との再会や、
結婚式でお世話になった地元の総代さんへのご挨拶もすることができました。
長く続けていると、いつしか第二のふるさととなり、馴染みの顔と自然と会話が生まれてくる。
空白の時間を乗り越えても、祭りや行事を継続しようという地域の想いは、こうした喜びから成り立っていると感じます。


子どもたちもすっかりお友達になったようで、今度はいつ豊島に行くのと催促されました。
どの札所でもお母さんたちが言っていた、
「御堂を開けると気持ちがいいね」という言葉は、まるで全てを言い表しているように聞こえ、心に爽やかな印象を残すのでした。

山川大師堂

河原田 啓史さん

私たちは家浦岡にある山川大師堂でお手伝いをさせていただきました。集落から少し奥のほうにあり、井奥所(いのくじょ)と呼ばれています。


お堂ではエプロン姿のおかあさんたちが「どっかで見たことのある顔じゃね」と笑顔で出迎えてくれました。
僕がこちらでお世話になるのは3回目です。

今回、こえび隊が手伝いに来るということで、近所に住むこどもたちにも声をかけてくださっていて、元気のいい5人の小学生が頼もしい助っ人として来てくれました。
今月豊島に来たばかりのお友達もいましたが、今ではみんなすっかり仲良しさんでした。

お堂によってお接待も様々ですが、こちらでは手作りのおはぎをお参りに来た方々にお接待しています。
おかあさんたちは昨日からもち米を洗い、あんこを丸めて準備をしていました。
いくつもの炊飯器が並べられ、炊けるとおはぎ作りが始まります。
気がつけば一斗(一升の10倍)のお米を炊いていました。


こどもたちの中には、去年ここでおはぎを作ったよという子もいましたが、ほとんどが初めてでした。
あんこをいれて丸める係、きなこをまぶす係など自然と役割ができていました。
最初は炊き立てのごはんを手に思わず「あつい!」と言っていましたが、おかあさんが「あつあつのときに握るのがええんよ。冷めるとごはんがかたくなってしまう」と教えて下さり、みんな思い思いにご飯をとって、あんこを入れて一生懸命に、でも楽しんで作っていました。
ごはんを少し平らにしたところにあんこ玉を入れてくるんだり、それぞれに工夫して造っていました。


できあがったものは大きなものからかわいらしいものまで、たくさんの個性豊かなおはぎができあがりました。
おはぎの他にもたけのこご飯もあり、容器に入れてきぬさやと一緒に盛り付けもしました。
そうしているうちに島のみなさんがお参りにやってきました。


ふと見るとお賽銭箱の横に四葉のクローバーがありました。お手伝いの女の子が見つけて置いたものです。
島の方が見つけ「へー、これ四葉のクローバーやね」と笑顔で言うと、その子は照れた表情をしていましたがとてもうれしそうでした。
これもまたお接待だなと微笑ましくみてました。


途中で、おかあさんたちがおにぎりを握ってくれました。
これがまたおいしくて、ちりめん山椒や佃煮も入っていてついもう一つと手が出てしまいました。
みんな手にご飯粒をつけながらおいしそうにほおばっていました。
みんなで食べるごはんはおいしいです。

ごはんの炊きあがりやお参りの方が来る「待つ時間」もまた、楽しい時間でした。
他愛もないこどもたちの会話に耳をすませたり、時には一緒になって会話を楽しんでいました。
みんな世代を超えて笑顔でした。

最後は、おかあさんが読経して、みんなで手をあわせました。
おかあさんたちが「こえび隊、また来年も来てな!」と言ってくださったのが、とてもうれしかったです。


日頃、都市部で時間に追われる生活をしているので、居心地のいい空間で、みんなと共有する時間はお風呂につかっているみたいでした。
初めてお大師さんのお手伝いで味わった感覚と同じでした。

僕は9年前に豊島のお大師さんをきっかけにこえび隊と瀬戸内国際芸術祭に出会い、そのおかげで多様な価値観を持った人たちとたくさん出会い、かけがえのない経験をさせていただいて今があります。
今回、一緒に活動したこえび隊の二組の親子はどちらも豊島への思いが強く、豊島で結婚式をされています。
私も豊島が縁で今の妻と出会いました。そういう意味でも私にとっても豊島は大切な場所です。
島の人はきっとお大師さんがもたらしてくれた縁といいそうな気がしますが、豊島の人たちの温かさと守り続けてきたすばらしい島の風土のおかげだと思っています。


お参りの人たちがくると、こどもたちは一列に並んで出迎えていました。
お参りが済んだ人に「どうぞ」とおはぎやたけのこご飯を渡していました。
おかあさんが後ろから「このおはぎ、この子らが作ったんよ」というと「えー、いただいていくわ。ありがとう」とうれしそうに受け取られていました。 

こどもたちに伝えていくには、こどもたちと一緒に参加して同じ目線で楽しむのが一番なのかと思いました。
みなさんもぜひ瀬戸内国際芸術祭を通じて、島の人たちの温かさや風習・文化にふれてみてください。
もっと島が好きになると思いますよ!


最後は島キッチンに集まり、それぞれの体験を報告し合いました!


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