【小豆島】7/2(日),8(土)中山の火手作りと虫送り
虫送りは、江戸時代ごろから小豆島に伝わる伝統行事です。半夏生(夏至から11日目)の日に、火手(ほて)と呼ばれる竹の松明(たいまつ)を持って田にかざしながら畦道を歩き、害虫を退治して豊作を願います。
小豆島の中山地区では、映画「八日目の蝉」をきっかけに、途絶えていた虫送りが復活しました。
まずは、7/2(日)の火手作りの様子から。8日(土)に使う火手を地元のみなさんと一緒に作りました。朝9時頃に中山地区にある公民館に到着。地元のみなさん、観光協会のみなさんが続々と集まってきます。総勢30人くらいで火手作りの開始です。

ですが、初めて作る人も多いので、まずは中山地区の自治会長、井口さんより火手の作り方レクチャーがありました。


火手作りは、竹を割り、アルミホイルを巻き、小さい竹にタオルを巻き、タオルを巻いた竹と本体の竹をワイヤーでくくりつけていくという、いくつかの工程があります。それぞれの工程をみんなで手分けしてつくりました。


最後は、井口自治会長の厳正なチェックがあり、そのチェックが通って完成となりますが、通らなかった火手は手直しをして、完成。
出来上がった火手は350本!

以前から参加しているこえびさんが、初めて火手作りに挑戦したこえびさんたちに積極的に教えたり、久しぶりに小豆島のこえびさんに会えて一緒に活動できたり、小豆島に移住してきてまだ半年くらいの方が参加してくれたりと、とても楽しく活動することができました。(笹川)
そして迎えた1週間後の8日(土)。火手を作ったメンバーが高松港に集結しました。
お天気は持ちそうな。。。持たなさそうな。。。でも、メンバーの中に自称「晴れ女」が4名ほどいましたのでこれはいけるんではないか?と楽観的にいざ小豆島へ!
島に到着したら虫送り参加者の集合場所のダム下公園へ移動します。ダム下公園で受付を済ませピストンバスに乗って虫送りの出発地点の湯船山に上がります。ワクワクは最高潮!

湯船山でバスを降りた途端にザーっと雨が降り出し、アララと思っていたら通り雨だったようで、一旦雨もあがり、神事が始まりました。空模様が不安定なので、神事も早めにスタート、虫送りも早めにスタートとなりました。神事では護摩木が火にくべられて祈祷が行われ、その火が火手に移されます。

虫送りが始まると同時に雨も降り出し雨の中、みんなで「灯せ~、とーもーせー」と言いながら棚田のあぜ道を下っていきます。
「雨の中」「カッパを着て」「急坂を」「両手に火手を持って」「下る」
冷や汗なのか、汗なのか、雨なのか、湿気なのかわかりませんが、着ているTシャツはビシャビシャです。でも200人以上の参加者が声を合わせながら火を灯し列をなしている姿は壮観です。


小豆島の夏の風物詩の景色の中の一部になれたことが嬉しく、中山の農村歌舞伎舞台までおりて
きた人達の顔は達成感と安心感と謎の滴でキラキラしていました。


みんなが無事に参加できたのも中山の地元の皆さんが、棚田の整備に始まり、火手づくりから、虫送りの先導、急坂でのサポート、火手の消火、混みあう道路の誘導までしてくれたおかげです。
火を扱うのでみなさん消防団の服を着ていましたが、これが秋になると歌舞伎の衣装に着替えて、女形とかに変身しちゃうから驚きです。コロナも終息し、今年は久しぶりに奉納歌舞伎にお邪魔できるかなと思っていたのですが中山の舞台が今、倒壊の危機にあるそうです。
クラウドファンディングで協力を呼びかけているそうなので、改修の応援に興味のある方は以下を覗いてみてくださいね。返礼品や体験付きの応援コースもあるみたいです。(大垣)
https://readyfor.jp/projects/nakayamanosonkabuki
地域の伝統行事や大事な建物、場所、お祭りや盆おどりなど、島のみなさんと一緒に火を灯し続けたいなと、改めて感じた虫送りでした。